梨状口、切歯孔を基準にしたサージカルガイドの応用
Application of the surgical guide on the basis of an anterior piriform aperture incisive foramen
○ 重原聡 金塚文子 大場誠悟 住田吉慶 今村栄作 朝比奈泉

目的
 近年インプラント埋入手術において低侵襲手術のため、種々のサージカルガイドの報告がされている。またシステマティックに商品化され応用されているものもある。しかしながらそのトラブルの報告も報告されてきているのも事実である。今回我々は上顎の無歯顎欠損に対して骨レベルのガイドを梨状口、鼻口蓋孔を基準点、及び固定点としてのサージカルガイドを考案 応用し所定の位置に安全確実な埋入が可能で有用性が示唆されたので報告する。

方法
 上顎無歯顎欠損12症例に対して 術前にヘリカルCT撮影をおこない ミミックス社製の画像解析ソフトを用いデータ処理を行い、光造形3Dモデルを作製した。それをもとに埋入位置、本数、方向、長さ、太さを決定しモデルサージェリーをおこないガイドを作製した。通法にしたがい歯槽頂切開、骨膜剥離をおこないガイドが安定していることを確認してインプラント窩を形成 所定のインプラントを埋入した。

結果
 12症例とも術後のレントゲンにて確認 明視野に正確な位置への安全確実な埋入が可能であった。サージカルガイドのセッティングも着脱の繰り返しも容易で操作性に優れているためトラブルもなく、切開から埋入縫合にかかった時間はすべて60分以内であった。いずれも当日即時負荷暫間補綴を行うことが可能であり、3ヶ月後オッセオインテグレーションはすべて獲得された。

考察及び
 現在患者侵襲の少ないガイドをもちいた非切開法はガイド装着後 術中の正確な位置の確認の機構がないのが現状である。また粘膜の巻き込み、ガイドの破損、インプラント体の埋入位置全体のずれ等の報告もある。またナビゲーションは高額で一般に普及には乏しく、またセッティングに時間がかかる。本法は切開剥離し梨状口下縁を明視野に行うため外科的侵襲はあるが、梨状口下縁、切歯孔を基準とするため、解剖学的に吸収を起こすことが少なく、CTデータとしても誤差が少なく基準として信頼ある部位である。通常の骨レベルガイドと比べても骨に支持をうける面積が大きいために角度の頬舌的な誤差も起こりにくいため有用性が示唆された。